妊活治療 症例報告①-1

当院では妊娠を希望される方の身体のケア、治療を行っております。

 

鍼灸での妊活治療に興味はあるけれど、

なかなか足を踏み入れられない方の参考になればと

現在もまだ治療進行中の患者様の治療の経過を

治療終了までブログにあげていきたいと思います。

 

ご協力いただきました、T様にこの場を借りて感謝申し上げます。

 

 

妊活治療 症例報告① Tさんの場合

43歳 女性 横浜市在住 職業:会社員(主にデスクワーク) 

【略歴】

2016年7月 結婚

もともと子供を希望してはいなかったが

2017年3月頃より 子供を希望するようになり

そうと決まってすぐに婦人科クリニック受診

年齢のことと、抗セントロメア抗体※1 を持っているということもあり

始めからART(体外受精、顕微授精)を希望。

 

卵巣、子宮、ホルモン値は異常なし。

 

 

※1 自己抗体(自分自身の細胞を攻撃してしまう抗体)の一つで、この抗体をもっていると

   卵子と精子が授精しても異常受精卵になることが多く、妊娠に至りにくい。

 

 

ークリニックでの治療経過ー

2017年

①4月26日 採卵

     採卵数8個 (正常受精卵 2個)

 4月29日 胚移植 → 妊娠に至らず

②5月24日 採卵

     採卵数8個 そのうち顕微授精を行えたのは3個

           (正常受精卵 0個)

           移植行えず

③7月13日 採卵

     採卵数5個 そのうち顕微授精を行えたのは2個

           (正常受精卵 0個)

           移植行えず

④9月26日 採卵

     採卵数6個 そのうち顕微授精を行えたのは2個

           (正常受精卵 1個)

 9月29日 胚移植 → 妊娠に至らず

⑤11月21日 採卵

     採卵数4個 そのうち顕微授精を行えたのは2個

           (正常受精卵 0個)

           移植行えず

2018年

⑥2月7日 採卵

     採卵数2個 そのうち顕微授精を行えたのは1個

           (正常受精卵 1個)

 2月10日 胚移植 → 妊娠に至らず

   3月31日 当院(レディース鍼灸室ひかり)受診

⑦4月7日 採卵

     採卵数4個 そのうち顕微授精を行えたのは1個

           (正常受精卵 0個)

           移植行えず

【当院での治療】

3月31日に当院を受診されました。

今までの検査結果等お持ちいただけましたので

始めにそれを診させて頂き、これまでの流れ、状態を確認

基礎体温は以前は計っていることもあったが、

最近は計っていらっしゃらなかったので今後つけていただくことを

お願いしました。

 

ーご本人の意向ー

とてもはっきりされている方で

ご本人の意向としましては不妊治療を来年の2、3月までと

決めておられました。また4月以降9月頃までは仕事が忙しく

昨年もこの時期は治療の結果が悪かったので4月に1度ARTを

行ってからは9月頃までは婦人科クリニックの受診も見合わせ

当院での治療のみ行っていくとのことでした。

 

ー状態のチェックー

当院ではまず問診表にさまざまな要項を記入いただきます。

それから身体全体を診る視診、触診

舌を診る舌診

脈を診る脈診

お腹を診る腹診

で患者様の今の身体の状態を西洋医学、東洋医学の観点から確認していきます。

 

不妊症の方は東洋医学の観点から診ると

主に腎虚証、お血症といわれる体質の方が多いです。

 

Tさんの場合は東洋医学でいう典型的な『腎虚証』※2でした。

※2 東洋医学での「腎」は、生殖・成長・発育・ホルモンの分泌や免疫系などの

機能や水分調節に関わりがあり、「虚証」とはそれらの働きが不足している状態を示す

 

脈も腎が弱く

舌も虚証特有の白い舌をしていました。

腰背部には腎虚証でよくみられる色素沈着がみられました。

腹部は臍上と臍左下に硬結がみられたのと

臍の下に力ない窪みを感じました。(これも虚証)

これらの所見は今後治療していくうえで身体の変化を確認する

指標になります。

 

 

 

また手足が冷え、足はわずかに浮腫がありました。

肩から腰にかけては自覚症状はなかったですが

かなりの筋緊張がありました。

 

 

上記のさまざまな症状 を踏まえて、不足した腎の気を

補っていくことを目的に治療していきます。

 

 

鍼は足には0.10㎜の非常に細い鍼、

肩や腰部には0.16㎜の細い鍼を使用

お灸も患者様が自分でセルフケアされるときと同じ

台座灸を使用しました。

※3 どちらの写真も実際の治療とは異なる写真です

 

 

遠方からの通院や仕事をされてることもあり

本来、治療ペースとしては毎週、

年齢を考えると週に2回来ていただきたいのが本音でしたが

それが困難だったため、ご自宅でのお灸を

必ずしてもらうことを条件に月1回のペースで

治療を行っていきます。

 

 

そうして全体のバランスを整え、

妊娠する力を手助けしていきます。

 

 

 

あくまで鍼灸治療は底上げです。

患者様が元々もっている妊娠するための力を

引き上げていくことが目的です。

Tさんの場合抗セントロメア抗体をお持ちですが

それに対しての治療ではありません。

 

以上が3月31日の治療の詳細でした。

 

 

引き続き、経過報告していきます。

 

 

 

 

 

 

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